2012年3月29日木曜日

陸前高田「奇跡の一本松」は、本当に一本松か?

こんばんは。YOKOYAMAです。

昨日は「奇跡の一本松」に関する打合せで陸前高田市役所へ。その足で現地を視察してきました。

高田松原はもともと津波や高潮から街を守る防潮林として江戸時代に作られ、これまで風光明媚な名勝として愛されてきました。以前は約7万本の松があったそうですが、東日本大震災による津波でほとんどがなぎ倒され、この一本だけが奇跡的に最後まで残ったという話はすでに誰もが知る有名なエピソードです。


震災後、樹が枯れないよう専門家チームによって処置が施されて来ましたが、その甲斐無く再生は絶望的とのことです。今後蘇生するわずかな可能性に賭け、通常新芽が出てくる5月をまって最終診断が下されるとのことです。


ところが、旧高田松原の範囲を見渡すと、遙か遠くに立っている松がもう一本見えます


おや?と思い、近くまで行ってみました。それがこちらの松です。


樹の状態を見ると、津波の時はおそらく先端まで海中に没し、幹をしならせたまま激しく波に揉まれたのでしょう、葉や枝は引きちぎられて全く残っていません。上半分は瓦礫にぶつかり樹皮が大きく剥ぎ取られた痕があります。さらに幹の中ほどの屈曲の状態をみると、津波の後もまだ生きていて、そこからさらに真上に向かって伸びようとしたようにも見えます(※但しこれは素人の感想です)。

すでに何方かがこの樹の存在を指摘しているかな?と思い、ネットで検索してみましたが、これに関する記述は見つけられませんでした。さらに自分がこのエピソードを誤解していたのかと思い・・つまり「一本だけ倒れなかった」というお話ではなく「一本だけ生きていた」ということだったのかと思い、これも調べてみました。が、やはり「倒れなかった松」というストーリーで正しいようです。

なるほど、たしかに「唯一」という響きのほうが奇跡の伝説には相応しいのかもしれないけれど、こちらもあの松と共に防潮林として街を守る役割を全うしたことは事実です。それを無かったことにするのはいけませんね・・。

奇跡の2ショット

ということでこちらの樹にも敬意を表し、勝手に「もう一本松」と命名させて頂きました。

どうぞこちらの奇跡もよろしくお願いいたします。

それでは。

4 件のコメント:

  1. https://picasaweb.google.com/111348764964034441676/Rikuzentakata#5644631038368899938

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  2. 永六輔さんがご自身のラジオ番組「誰かとどこかで」で二本目の松についてお話しになっていましたね。

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  3. 昨日、陸前高田に行ってきた者です。
    一本松は切り倒されたと聞いたのに、45号沿いに工事中の敷地の向こうに、ひょろりと立っている松の姿が見えたので、不思議に思っていました。
    この記事を見て、やっとどういう事か解りました。

    ただ、なぜ一本松は剥製にしてまで取り沙汰されて、こちらの木は話題にもあがらないのか、個人的には不思議でなりません…

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  4. 地元では『残ったのは1本じゃないのにな』と囁かされているとのことです。

    対外的なイメージ戦略なのでしょう。

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